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2005年9月
大阪 近鉄百貨店イベント |
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(文:食文化総研 水上)
東京発7時13分の新幹線で大阪へ。
10時30分頃「近鉄百貨店阿倍野本店」に到着しました。天王寺は初めての地です。
すぐに7階の催事場へ直行。そんなに賑わっている感じでもありません。「でも、土曜日の午前中だし、これからが勝負かな。」
予想通り12時近くになると長蛇の列が出来始めました。
しばらくお客様の食べる様子を伺っていると、大阪独特のスタイルがあるような・・・。
皆さん、つゆをたっぷりつける。
→それじゃ、そばの味と香りが感じられないよ〜!
そばを猪口に入れて、ぐるぐるとかき混ぜる。
→そこまでやりますか!
つゆを飲みながらそばを食べている感じ。
→えーっ、辛くないのかな!
関西はうどん文化。
讃岐に近く、讃岐出身の方たちの影響も多く受けているようですが、大阪らしさを確立しているようですね。
ある大阪のうどん屋さん曰く、
「“出汁”と“麺”と“具”が三位一体」のうどん
うどんは讃岐ほどコシがなく、出汁の旨さが味の決め手という感じでしょうか。出汁とうどんを一緒に食べることから、そばも、つゆと一緒に食べているように感じました。
高橋さんのお弟子さんで大阪市内に開業している「なにわ翁」の勘田さんに聞いてみると、
「そ〜なんですよ。ウチもつゆがすぐになくなります。」
実際にお客様に聞いてみると、
「鰹の出汁がよく出ていて、美味しかったよ。」
「全然しょっぱくないよ。」
「大阪ではなかなかこういうそばはないからね。」
と私の心配をよそに、大好評です。
関西のつゆは色は薄いけど、しっかり味がついていると聞いたこともありますし、おでんなども、見た目と違い、関東より塩分が強いかもしれないですね。
実は、大阪人は味が濃い?
お好み焼きもコテコテという感じがするし。。。
しっかり味がついていないとだめなんだろうな。
と妙に納得。
さてさて、私の今回の目的は、【商品の販売のお手伝いをする】こと。
でしたが、お客様と話すのが楽しくて、、、
おまけに販売員の女性に商品のポイントを伝えると、自分の言葉で上手に伝えてくれることができる優秀な方ですっかり安心。さすが商いの町!
というわけで、この時点で私の役目は変わり、
・お店の外の行列の交通整理と(本来、百貨店担当者がすべき)
・食べ終わったお客様を捕まえて、お話をすること(興味本位)
・夜は高橋さんのお薦めのお店に連れて行ってもらうこと(これが一番重要?)
となりました。
フラフラと地下の食品売場にも顔を出してみると、東京とは違う活気があって、面白い!
魚売場でとにかく元気のいい女性発見。ひたすら大声で、半ば怒鳴るように接客する怖そうな女性。30代前半くらいかな。私の同い年くらいだと思うけど・・・。そのパワーといったら、スゴイの一言。
お客さんは、その元気につられどんどん購入していく。あのパワー、いつまで持つんだろう。と10分くらい観察していましたが、ず〜っとその調子。
翌日も行ってみたら同じ調子でやっていた・・・尊敬。
「大阪にはコレといったお土産はないけど、独特の空気、文化がある」と聞いたことがあるけど、何よりのお土産をもらった感じです。
高橋さんのそばの反応だけでなく、お土産の反応もお伝えいたしましょう。
販売していた時に、お客様から聞かれた質問は意外と少ない。
今まで東京でしか催事をやっていませんでしたので、他の地方の反応はわかりませんが、大阪では、
「高いな〜。おにいちゃん値引きしてよ。」と言われるのかなと予想していましたが、2日間一度も言われたことはありませんでした。
唯一、「ねえねえ、茹でたそばは販売していないの?」
と聞かれたときは少しビックリ。茹でるのが面倒なのかな?それとも茹でるのが難しいから。せっかちな方?
スーパーの茹で麺と同じ感覚かも知れませんね。
詳しい説明をしなくても「旨い」と感じたお客様は、何も言わずに買っていく。東京に比べ、非常にさっぱりとした印象でした。
私が行った4月2日、3日は、各日とも900食を完売。
高橋さんは朝8時から約9時間打ちつづけていました。
高橋さんは、いつもこのスタイルで長時間打ち続けるタフな人です。そして蕎麦に対する愛情が誰よりも強い。
「自分が売った蕎麦は捨てない」というのが基本姿勢。
少し大げさに言えば、我が子のように大切にするのです。
だから、売り切れご免が基本スタイル。なかなかできないですよ、普通のお店では。少しでも売上を上げたいですからね。
少し余分に仕込んで、売れ残りは次の日にまわすのが一般的。
でも蕎麦は次の日は味が落ちるので、高橋さんはそれをしません。
お客様の入り具合を見ながら予想数量を打って、本日の営業は終了にします。
決して傲慢な発想ではなく、体力的なこと、そして蕎麦に対する愛情から、そのようなスタイルをとっているのです。
信頼できる生産者から買い付け、低温貯蔵庫で管理し、蕎麦の選別、殻をとり、石臼で挽く作業まで全て自分でやっているからこそ、蕎麦をムダにできないのでしょう。
とても合理的な提供方法だと思います。高橋さんだからこそできるスタイルなのかも知れません。
さて、夜は高橋さんお薦めのお店へ。「ながほり」という小料理屋のような居酒屋。急きょ、高橋さんのお知り合いの方2名が合流して、4人で楽しく食事をしました。
野菜がとにかく甘い、聞けば契約農家で栽培してもらっているとか。
料理は大皿に、どーんと出てきて、その豪快さも気持ちいい。
一品一品の味付けはとても繊細。どれも素材のよさを実感できる。
高橋さん曰く
「どれも本物だよね。やっぱり本物が生き残るんだよ。」
食事の後は、高橋さんと都ホテルの最上階のラウンジで大阪の夜景を見ながら、2人で飲んできました。
「とにかく、僕はそば打ちが好きなんだよね。
でも、常にいいそばを出せるわけではないんだ。
そばを打っている僕が一番よく分かる。」
話の流れのなかでの一言ですので、誤解しないでいただきたいのですが、原材料だったり、その日の温度、湿度だったり、高橋さんの体調だったり。
原材料は農作物ですから生き物です。
職人の技術だけでは到底カバーしきれるものではないのは理解できます。
でも、お客様は高橋さん自身が打つそばを期待を持って食べに来てくれる。高熱であっても、何があっても休むことはできません。今回のような1週間ぶっ通しのイベントはかなりキツイはずですが、常に自然体で楽しんでいるようにも感じます。
それが高橋さんの強さ、そしてその姿勢がそばにあらわれて、多くのファンを魅了しているのでしょう。
私にとって、大阪での初のイベント。新しい気づき、収穫の多い楽しいものでした。
中でも、乾麺をお土産に買われたお客様のお一人が、料亭の社長さんで、「そばを料理の〆に出したいので、譲って欲しい。このレベルの乾麺だったら十分お客様に出せる。」と後日連絡をいただきました。嬉しいですね。
高橋さん、お誘いいただきありがとうございました。今度は、秋に産地巡りでもご一緒しようかな。 |

忙しい店内の様子。
店の外には、長い行列ができていました。
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高橋さんのそば打ちをじ〜っと見入る
たくさんのお客さま |
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