(文:食文化総研 水上)
金曜の夜、仕事を終え、最終のスーパーひたちに飛び乗って、一路水戸へ。
翌朝、5時30分起床。
水戸発の水郡線で揺られること30分。常陸大宮駅に到着。
7時過ぎに会場に入りました。
高橋さんは、当然のごとく打ち始めています。
聞けば、朝の3時から打っているとのこと。
金砂郷のそば祭りは、屋外イベントで、北海道、福島、栃木、茨城、東京など、そば処のブースが建ち並んでいます。
一番端っこの一際大きいブースが、「達磨」高橋さんのブース(広島県)でした。
高橋さんを知らないお客様は、
「わざわざ、広島からやってきたの?大変ね〜。」
と言って立ち去った後、しばらくして、
「そばの名人だってね。食べてみなきゃね」
と行列の最後尾に慌てて、並んでくださいました。
9時20分 準備完了。既に50人以上の行列が。。。
今日も忙しくなること、必至です。
高橋さんのおそばを求め、今回も長い行列ができていました。
「ウワーッ、テレビで見たままだ」
「まさか、こんなところで名人のそばが食べられるなんて」
と行列は、グングン伸びていきます。
この日は常陸秋そばの解禁日。やっぱり新そばは美しい。色、つやは、ピカ一。
ウォー、早く食べたい!!!
水上も受付のお手伝いや、お土産の販売など、一応お手伝いして、お客様の美味しく召し上がっている姿をずーっと眺めていました。
3時頃になると、お客様の姿も少なくなり、行列もなくなりました。
いよいよです。お腹もかなりすいている。。。
高橋さん「水上さん、そば食べてね〜。」
その瞬間、一言を待っていました!
「いっただきま〜す。」
モッチリとした食感、切れが良くて喉を通り抜ける感覚がたまらない。最後に、鼻の奥からフワ−ッと感じるそば香り。
ウマイ!!!
そして、その後、他のブースのそばを3件ほど食べ歩きました。
どのお店も新そばを使用しているから、香りはよい。
初めて、高橋さんのそばと、他のそばの食べ比べが実現しました。
「何が違うんだろう・・・」
そばの好みは十人十色ですから、絶対的な美味しさというものはありません。
ただ、多くの人から支持を得るには理由があるはず。
私なりの結論は、「潔いそば」
高橋さんのそばの切れ味が鋭く、とっても潔い気がするのです。
高橋さんは、今考えられる原材料、そして技術で常にbestを尽くしている。
「お客様は、僕のそばを食べに来てくれるのだから、僕が打つ。」
有名になったり、忙しくなると現場を離れる職人さんも多いと聞きますが、高橋さんは、必ず自分が打つ。
優秀なお弟子さんが多数いて、任せてもよい状況なのに、そば打ちは必ず高橋さんなのです。だから、まだ真っ暗な朝の3時から打ち始める。この日も、ほぼ12時間打ちつづけていました。
その姿勢がそばに現れるような気がします。
そして、『包丁の舞』と表現されるような技術。
「そばはカゼをひかすな」「乾かすな」と言われますね。
そばが乾かないうちに、打ちあげるスピードも大切です。
茹で方、つゆとの相性、、、すべてのバランスが整った時、お客様は『うまい、ご馳走様』となるのです。
私が食べ比べた中には、高橋さんと比較して、水っぽかったり、そばのヌメリが残っているもの、そばの香りを台無しにするつゆの存在がありました。
中日ドラゴンズの落合監督同様、高橋さんの「オレ流」は、種物、温かいそばや、うどんなど、多くのメニューを提供するという過程を経て、最終的には『もりそば』を突き詰めていったところにあります。
水上流に解釈すると、麺類と言われるジャンルで、麺本来の良し悪しがはっきり分かるものがそばだと思っています。
パスタ・・・ソースを楽しむ。
ラーメン・・・スープと麺との絡みを楽しむ。
うどん・・・歯ごたえ、コシを楽しむ。
麺が主役で、麺の味の違いが明確に分かるのが、そば。
だから、高橋さんは、原材料にこだわり、そのポイントを突き詰めたのだろうと思っています。
さてさて、イベント終了後、皆さんと風呂に入りました。
「金砂の湯」という温泉センターで、裸の付き合い。
風呂上りに、一人ドライヤーをかける水上に
お弟子さん「おしゃれさ〜ん、ですね。」
高橋さん 「僕は30年来、ドライヤー使っていないね。その代わり、業務用のバリカンを重宝しているよ(笑)」
そうだ、みんな坊主軍団。
端からみたら、お坊さんの集団?
ボスも怖そうな顔しているし。。。
そして、お疲れ様の一杯。
水上も電車の時間まで、ということでビールをご馳走になり、帰ってきました。
高橋さんは、次の日も朝3時からそばを打っていたようです。
そして、翌日には北海道へ飛んで、「弟子屈」でのそば会。
そばに対する真摯な姿勢、行動力は「そばの神様」と言われる所以ですね。
年末のそば会が待ちどおしい。
永田町黒澤の年越しそば会で高橋さんのそばが食べられますよ。
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高橋さんのおそばを求め、今回も長い行列ができていました。 |

高橋さんのそば打ちをじ〜っと見入るたくさんのお客さま |

収穫を終えたそば畑
(金砂郷町にて) |

皆で賑やかに夕食。
この日は地元の方たちも一緒でした。
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