| (文:食文化総研 水上) |
10月11日
◆朝9時 |
酒どころ西条へ到着。
西条は広島駅から山陽本線で
岡山方面に30分ほど走ったところにある町
白壁の酒造を通り抜け、会場の賀茂泉酒造へ到着しました。 |
| ◆9時30分 |
さ〜っ、いよいよです。
予定開始時間は、午前11時。 |
| ◆10時 |
高橋さんがそばを打ち始めます。
するとあれよあれよいう間にお客さんがそば打ちの周りを取り囲み、徐々に人が増えてきました。
中には、直立不動で高橋さんのそば打ちを「じーっ」と真剣な眼差しでみている人もいます。
同業の方でしょうか。
そば打ちを趣味としている人でしょうか? |
| ◆10時55分 |
推定80人以上のお客さまが列を作っています。
準備完了。開店5分前に営業スタートです。
並んでいるお客さまの中には、高橋さんのそば打ちを間近に見ながら、スピード、技術に、オーッという感嘆の声を上げる方も。。。
約40席あった座席に次々とお客様が座り、打ち立て、茹で立てのそばをツルツルッと口に運んでいきます。
1人前では足りなく、2人前、3人前をオーダーする方もたくさんいらっしゃいます。
1日750食、1回のそば打ちで20人前取れるので、38回打ちつづけたことになります。
「お客様が口にするものは、高橋さん本人が納得する形で提供する。」
そんな姿がすごい。
高橋さんは、その技術、ノウハウをお弟子さんだけでなく、すべての方にオープンにしています。
使っているそば粉は北海道産と茨城産。
お客様からの質問にも丁寧に対応し、
「今回は【はんしん】そばですよ。分かる?これ大阪ではウケたんです。」
とジョークを飛ばしながら、笑顔でお客様と接する姿が印象的でした。 |
| ◆15時 |
本日の営業終了。用意したそばが売り切れました。
終了後も、来店される方が多く、
「もう終わったのですか?残念。。。」
せっかく来ていただいたのに、本当にごめんなさい。 |
| ◆16時 |
後片付けを終え、高橋さんの自宅、豊平「達磨」へ。
広島は「そば」より「うどん」の文化。本場讃岐も近い。
お客様との会話の中で、
「こんなおそばは初めて。この辺では食べられないからね。」
「年に1回のこのイベントを楽しみにしているのよ。」
「モチモチした食感と喉越しが最高にいいね。」
「私たちが食べているおそばは全部高橋名人が打っているの?」
「1回打つごとに、何人前取れるのですか?」
「どこのそば粉を使っているのですか?」
といった感想や質問をいただきました。
うどん圏の広島でみごとに江戸前のそばを打ち、販売する高橋さん。 |
| ◆18時 |
帰路の途中に軽く食事をとって、達磨へ到着。
着いた第一印象は
「高橋さんは、すごい場所へそば屋(そば道場)を造ったんだな・・・。」
一面の暗闇、、、音がしない。
広島県山県郡豊平町の山の中。
片づけを終えて、ようやくお疲れ様の一杯。
高橋さんを囲みながら、お弟子さんと寛ぎのひと時。
プライベートの高橋さんは「怖い職人」の顔から一転して、冗談と笑顔が絶えない。
「水上さん、先にお風呂入ってくださいね」と心配りもしてくださる。
お酒も入り、賑やかに夜が更けていきます。
といっても時刻はまだ8時ですが。 |
| 水上 |
「まだ8時だけど、なんか真夜中みたいな感覚ですね。」 |
| お弟子さん |
「そうですね。8時30分とかに電話がかかってくると、こんな夜中に。と思ってしまいますよ。」 |
| 水上 |
「ところで明日は何時に起きるのですか?」 |
| お弟子さん |
「3時前です。」 |
| |
エーッ、と思いましたが、冷静に考えると1日700食提供するには、当然の準備なのですね。 |
| お弟子さん |
「でも、水上さんはゆっくり休んでいていいですよ」 |
| |
という言葉にホッと一安心。
「確かにスピーディーなそば打ちの邪魔をしても申し訳ないな。」と妙に納得して、深〜〜い眠りにつきました。 |
| |
|
10月12日
◆朝3時 |
トントントンというそばを打つ軽快な音が聞こえたような
気がしましたが、まだ水上は爆睡中。 |
| ◆5時 |
起床。お弟子さんと一緒に朝食です。
高橋さんの奥様がつくってくれたボリュームたっぷりの朝食。
皆さんは一仕事して、モリモリ食べますが、働かざるもの食うべからず状態の水上は
「これ食べない?」「これもどう?」
と自分のボリューム減らしに必死。 |
| ◆7時20分 |
準備完了。出発です。 |
| ◆9時 |
会場へ到着し、準備。
【お客様が口にするものは、高橋さんが納得する形で提供する。】
高橋さんは早速、そば打ちに入ります。
昨日も早朝から700食以上、今日も朝3時から打ちつづけている。
本当にそば打ちが好きなんだなと実感。スゴイ。 |
| ◆10時 |
前日より1時間早くスタート。列はまだできていません。 |
| ◆10時30分 |
あっという間に長い行列ができ、推定70名以上の方が列を作っています。
前日に引き続き、40分以上お待ちいただかないと食べられない状況。 |
| ◆15時 |
イベント終了。用意したおそばが売り切れました。
2日間のイベントが終了。用意したそば1500食は完売しました。
1500食分を一人で打ち続けるパワーの源は、【好き】だから。
その姿勢は、高橋さんの本のタイトルにも表れています。
「そば屋 翁」
〜僕は生涯そば打ちでいたい〜 |